精霊とは?風・火・水・地の精霊たちを紹介

以前、妖精についての記事を書いたことがありましたが、「アナと雪の女王」の関連書籍を読むことで、精霊に対する新たな興味が生まれました。「アナと雪の女王2」にも登場する精霊たちの魅力や、その背後にある文化的背景について、深く掘り下げていきます。

精霊とはこの世界のあらゆるものに宿る精気のこと。木や花などの植物、犬や人間などの動物のみならず、無生物である石や水などにも宿っているとされています。

妖精と違い、精霊そのものには固定化された姿形はありません

信仰によっては神と精霊が区別されていない場合もあり、どちらにせよ人間より遥か高みに座す畏怖されるべき存在のようです。

精霊と妖精の違い

では、精霊と妖精の違いは何でしょうか?

精霊と妖精は、似ているようで異なる存在です。精霊は自然界の力や要素を象徴する存在であり、古くからさまざまな文化で信仰されてきました。一方、妖精は一般には幻想的な姿を持つ小さな精霊で、しばしば人間界と交わる物語の中で冒険を展開します。精霊は自然の力の化身として、風や水、地などの要素を司りますが、妖精はしばしば奇跡や幸運をもたらす存在として描かれます。

そして、精霊と妖精の違いは、「実態の有無」とだとされています。

  • 妖精:実態がある
  • 精霊:実態がない

四大精霊

精霊と妖精の違いについて理解した後は、四大精霊について掘り下げてみましょう。精霊は自然界の力を象徴し、風、火、水、地などの要素を司る存在です。

  • 水の精:ウンディーネ
    湖や泉などに住んでおり、性別はありませんが、ほとんどの場合は美しい女性の姿をしているとされ、人間との悲恋物語が多く描かれています。ウンディーネには本来魂はありませんが、人間の男性と結婚すると魂を得るをされています。
  • 火の精:サラマンダー
    サラマンデルサラマンドラとも呼ばれる火の精。手に乗る位の小さなトカゲもしくはドラゴンのような姿をしており、燃える炎の中や溶岩の中に住んでいます。炎を操ることから、ファイアー・ドレイクと同一視されることがあります。
    16世紀にパラケラススに四大精霊中の火の精をサラマンダーにするまでは、人間型や女性の姿の精という概念もあったがこれ以降はトカゲあるいはサンショウウオの形という考えが一般的になりました。
  • 風の精:シルフ
    空気の要素を持つ目に見えない精霊とされています。その姿を表すと、ほっそりとした優美な人間の少女に似ているとされています。
  • 地の精:ノーム
    常に地中で生活しており、鉱脈の場所などにも詳しいとされています。身長12cmほどの小人で長いひげを生やした老人のような風貌をしており、派手な色の服と三角帽子を身につけています。手先が器用で知性も高く、優れた細工品を作ります。

「アナと雪の女王」の精霊たち

精霊と妖精の違い、そして四大精霊についての理解を深めたところで、次に「アナと雪の女王」シリーズに登場する精霊たちに焦点を当ててみましょう。

  • 水の精:ノック
    美しい馬の姿をしている水の精霊。水で形をつくって馬の姿になっています。
    ただ前章でご紹介したように女性として描かれることが多いため、どちらかというとスコットランド地方の水辺に住み、主に馬の姿をしていると伝わる想像上の生き物”ケルピー”の特徴とよく似ています。ケルピーは、人間をおびき寄せるなどして溺れさせるという悪評のある水霊や水魔の一種です。作中でもエルサを水中に沈めようとしていたシーンがあったことからケルピーの要素が取り込まれているのではないかと思います。
  • 火の精:ブルーニ
    青いとかげのような姿をしているサラマンダー。日本語版では「サラマンダー」と紹介されていますが、英語版では「ブルーニ」となっているようです。
  • 風の精:ゲイル
    「ゲイル」という名前はオラフが付けた風の精の名前です。風なので姿は見えませんが、作中では葉が宙に舞ったりしており、ゲイルの存在を感じることができます。
  • 地の精:アース・ジャイアント
    岩の巨人はほぼ地と一体化して眠っています。ただ、起きてしまうと人間達を容赦なく踏み潰し、石を投げつけるほどの凶暴性があります。ちなみにアース・ジャイアントという名はノーサルドラの民が地の精に言っていた名前です。
  • 氷の精:エルサ
    アレンデールのアグナル(父)とノーサルドラのイドゥナ(母)の間に、氷の精霊として生まれました。
    エルサが精霊ではなく、氷の精霊の力を借りています。

精霊と妖精、そして四大精霊についての旅がここで終わりますが、いかがだったでしょうか?
また、「妖精とピクシーの違い」についてもご紹介しています。興味がある方はぜひ下のリンクからお気軽にご覧ください。