
こんにちは!幻想イラストレーターの小林けいこです。
今回は、多くの人が知っている童話「白雪姫」の“原作の怖い一面”をご紹介します。
白雪姫といえば、毒リンゴを食べて眠りにつく姿が思い浮かびますよね。
ディズニー映画などを通して、広く知られているこの物語。
でも、実は原作のグリム童話では、継母が毒リンゴを使う前にすでに白雪姫の命を何度も狙っているのです。その方法は、今の感覚で見るとかなりショッキングで、ちょっとしたホラー…。今回は、原作に登場する“3回の罠”をご紹介します。
恐怖は毒リンゴだけじゃない!白雪姫が狙われた3つの罠

継母は老女に変装して、城を逃げ出した白雪姫のもとにやってきます。
いろいろな色の絹で編んだ紐を売り、白雪姫にそれを試着させたのです。
ところが、その紐を異常なほどきつく締め上げ、白雪姫は息ができなくなり気絶してしまいます。
倒れた彼女を見て、継母は「これで終わりね」と勝ち誇って去っていくのです。
幸い、小人たちが帰宅して紐を切って、白雪姫は息を吹き返します。
再び老女に化けた継母は、今度は美しいくしを持って白雪姫の前に現れます。
「これであなたの髪ももっと美しくなるわ」と言いながら、そのくしで白雪姫の髪をとかします。
実はこのくしには毒が仕込まれていて、白雪姫はまたしても倒れてしまいます。
継母はまたしても勝利を確信して立ち去りますが、今回も小人たちが戻ってきてくしを抜き、白雪姫は再び目を覚まします。
そして3度目の襲撃。継母はついに、もっとも有名な毒リンゴを使います。
リンゴを半分に割り、片方だけに毒を仕込み、白雪姫には毒のない方をかじって見せます。
安心した白雪姫が毒入りのほうをかじった瞬間、その場に倒れ込んでしまいます。
今回は小人たちがどれだけ手を尽くしても彼女は目を覚まさず、物語は“ガラスの棺”のエピソードへと進みます。
なぜここまで恐ろしい描写が? 原作との違いとは
このように、原作のグリム童話にはかなり直接的で恐ろしい描写が含まれています。
当時の童話は、子どもたちに「教訓」や「警戒心」を与えるため、かなり残酷な描写が使われることも多かったのです。
一方、ディズニー映画では子ども向けにマイルドに表現され、毒リンゴのエピソードだけがクローズアップされました。
結果的に、“白雪姫=毒リンゴ”という印象が強くなったのですね。
おわりに:原作を知ると創作がもっと楽しくなる
白雪姫の原作を知ると、ストーリーの奥深さや時代背景の違いが見えてきます。
創作活動やキャラクターデザインの参考にもなりますし、知っている物語の“もう一つの顔”を知ることで、想像がさらに広がるはずです。
毒リンゴの前に命を狙われていた白雪姫。
あなたの中の白雪姫像、少し変わりましたか?